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Koofrを契約してみた Update: 2023-10-22 Category:  /service Tags:  #koofr

Koofrの無料版を触ってみて良さそうだったので、LifeTimeプランを購入しました。

結果的にはWindowsソフトやiOSアプリを当てにしなければそこそこ良いクラウドストレージかと思います。

Koofrについて

Koofrは、スロベニアを拠点にする企業が2012年から運営しているクラウドストレージサービスです。スロベニアはEU加盟国なのでGDPRが適応されています。このことから、米国企業のクラウドストレージよりはプライバシー性に優れています。(実際どのような運用をしているかは我々が知るすべなどありませんが。)

特徴的な機能

WebDAV

WebDAVが提供されていないクラウドストレージが多いですが、Koofrにはあります。なんと、無料アカウントでも利用可能です。詳しい利用方法は下の項目で。

ファイル暗号化

ブラウザ側でファイルを暗号化してアップロードすることができる機能です。

サービス側がファイルの内容を把握できなくなります。また、情報漏洩時にも一定の保護が効きます。

ですがこの機能は癖があり、あまり有効に使えません。Cryptmatoなどを使ったほうが良いと思います。

変更ログ

ファイルの操作ログが見えます。個人向けのサービスではあまり見ない機能です。

外部接続機能

DropBox, GoogleDrive, OneDrive, FaceBookと連携ができる機能です。私は利用しないので詳細は不明。

共有機能

ファイルを第三者と共有する機能です。アイコンから共有状態が一目瞭然なので、設定ミスも起こりにくいと思います。

Koofrの各種注意点

使ってみていくつか注意しなければいけない点を見つけたので共有。

ファイル名

4byte文字(🍀や一部漢字など)が利用できません。エラーが発生します。

暗号ファイル

ファイル名の全長が139byteを超えるとエラーが発生します。通常ファイルでは639byteまでは問題が起きないことを確認できているので、暗号ファイル特有の問題だと思います。日本語だとエラーに遭遇する確率が高いです。

iOSやWebDAV等で暗号フォルダ内のデータを操作(新規作成したフォルダに移動など)すると、Webクライアントからそのデータにアクセスできなくなります(赤文字になり、ファイル末尾にERRORの文字)。

ファイルが消えているわけではないのでiOSアプリなどから元の位置に戻すとファイルは戻ってきます。

ERRORのファイルをWebクライアントから削除することはできませんでした。

LifeTimeの入手方法

KoofrのLifeTimeプランは通常の購入方法では入手できません。とはいえ、違法なものではなく公式が販売しているものです。

LifeTimeの販売は永遠の物ではなさそうですが、ここ2年くらいは販売しているのを確認しています。

私は特に問題は起こりませんでしたが、責任は負いません。

StackSocialで入手

StackSocialで購入できます。今日時点では、1TB版が$159.99で販売されています。

詳細は省きますが、購入した後に右上にある自分の名前が表示されているプルダウンからPurchasesを選択するとコードを表示できます。

ちなみに、2つ買って適応させたら2TBになるのかなどは不明です。

コードの入力場所

この動画を見てね!となっているYoutubeのリンクは使い物になりません。Koofrの画面でも、それらしき入力欄はなく騙されたかと焦りますが、以下のリンクから入力が可能です。

https://app.koofr.net/app/admin/account/code Link⇗

LifeTimeはサービスの生命が終わるまで

当然ながら、LifeTimeとはいえ永遠に使えるプランではありません。サービスが終わるまで有効なものと考えたほうがよいでしょう。私が購入した1TB版は日本円にして22,000円程度でしたので、約2年間使えれば元は取れます。

転送速度はそれなり

時間(日本)アップロードダウンロード
13:0035Mbps90Mbps
15:0030Mbps80Mbps
17:0030Mbps80Mbps
19:0035Mbps70Mbps
20:0030Mbps20Mbps
21:0020Mbps5Mbps
22:0020Mbps2Mbps

転送速度が制限されてしまったのかは不明ですが、20時(スロベニアでは13時)から極端に速度が低下しています。

測定していない時にファイルの同期を行っていましたが、速度低下が激しい時間でも100Mbps(自宅回線の実測値最高速度)程度出ていたのでこの表はあまり参考にならないかもしれません。

追記

日を改めて確認してみましたが、同じような傾向が確認できました。

パスワードの取得方法

ここの下にあるApp passwordsで任意の名称を入れて生成する。

curlでの利用

以下のように利用する。

curl -T hoge.txt -u '{MAIL_ADDRESS}:{PASSWORD}' --url https://app.koofr.net/dav/Koofr/{PATH} -X PUT

パスワードには空白が含まれているので、シングルクオーテーション(')で認証情報を囲わないとエラーになる点に注意。

documentsでの利用

追加方法は以下の手順で。

プラスマーク -> 接続先の追加 -> WebDAVサーバー -> 認証情報を設定

iOSアプリの出来が良くないので、基本的にはこっちを使ったほうがよさそうです。

Koofrの不満点

悪いところのほうが目立つものです。よくない。でも不満なので書きます。Koofr特有の問題というよりは、どのサービスでも同じような問題を抱えている気がします。

削除ファイルの扱いが厄介

これは大した問題にはならないと思いますが、フォルダごとに削除したデータもファイル単位で削除ファイルに表示されます。(パスデータは残っているので復元時には元に戻る)地味に厄介です。

暗号機能は使いにくい

標準の暗号化機能はブラウザ以外で利用できません(見つけられなかっただけかもしれませんが)。なので、私はKoofr公式ブログでも紹介されていたCryptmatorを使うことにしました。

(注意点の方でも書いてありますが...)iOSアプリなどから暗号化された状態のファイルを操作できてしまうのですが、操作してしまうとWebUIからアクセスできなくなってしまいます。IceDriveのように、暗号化ファイル自体は触れないようにしてしまえば良いのに...と思います。

iOSアプリが微妙

謎の書類データ

Cacheをクリアしても2GB程度の書類データを抱えています。容量が少ない端末を利用している私にとって、2GBも利用されてしまうことはかなり深刻な問題です。

大きなデータをアップロードできない

1GB程度の動画データをアップロードしようとすると、アプリがクラッシュします。端末の空き容量は5GB程度あるので問題はない(というか、空き容量不足ならエラーが出るでしょうし)はずですが、使えませんでした。

フォルダでアップロードできない

一つずつファイルをアップロードする以外の手段がありません。

Windowsアプリも微妙

NetworkDriveはWebDAV

Nwtwork driveとあったので、仮想ドライブがマウントされる物かと思ったらWebDAVが設定されるだけでした。

開いてるとマウス操作がカクつく

なぜそうなるのか原因がわかりませんが、ソフトウェアのウィンドを中時間開いているとマウス操作がカクつくようになります。

追記(2023/10/31)

結局、Windowsの標準WebDAV機能や仮想ドライブとしてWebDAVをマウントするようなソフトウェアは不安定だったりブルースクリーンになってしまうなどで使い物にならなかったので、基本的にPC側にデータを持ったうえでクラウドと同期する事にしました。

参考

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